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写真デジタル化に必要な入力解像度

(参考)最大印刷可能サイズ計算例

■各種原版の解像度
写真のデジタル化を行う上で先ず第一に配慮すべきことは、写真原版の持っている解像度です。下に3種類の原版解像度を示しました。

写真原版の解像度

種類L版換算画素数*1dpi換算*2備考
35mmネガフィルム800万画素2400dpi ウィキペディアより
一般的にポジはさらに解像度が上がります
現在の銀塩デジタルプリント150万画素300dpi 300dpiデジタルプリントの場合
昔の銀塩(アナログ)プリント600万画素〜 600dpi当社調べ
焼付機による露光
  • *1: L版換算画素数は、プリントの場合です。フィルムの場合は、フィルム原版上での画素数です。
  • *2: dpi換算値は、プリントの場合は、プリント上、フィルムの場合はフィルム原版上の値です。
  • dpi換算値とは、画素数から換算した必要スキャン分解能です。 現在の銀塩デジタルプリントのみ、dpi値から画素数を求めました。
■実際のプリントの解像度
  実際のプリント写真(銀塩アナログプリント)を300、600、1200dpiで入力した例を下に示します。一番左の写真が全体の画像です。左の写真の赤く枠を囲った部分を拡大した画像が右側の3つの画像です。
赤枠が取込領域

赤枠が取込領域

300dpi画像

300dpi

600dpi画像

600dpi

1200dpi画像

1200dpi

  写真を見て頂いてもおわかりのように、600dpiと1200dpiでの差はわずかですが、300dpiは明らかに解像度が落ちております。つまり、プリント写真の解像度はほぼ600dpi程度であると言えます。300dpi入力では本来プリント写真が持っている解像度を維持できないことになります。
■印刷用の必要解像度と最大印刷サイズ
一般的な印刷物は以下の解像度で印刷されております。
種類印刷解像度lpi*3印刷解像度dpi
新聞85170
雑誌133266
高品位印刷物175350
  *3:印刷業界では、印刷品質を表現する方法として、網線の細かさである印刷線数を表すlpi(line per inch)という表現が用いられております。写真を印刷する場合、印刷線数に対し、写真に必要な解像度を求めるには印刷線数を2倍します。
  上記数値を基にフォトセピアで採用している入力解像度でデジタル化を行ったデータを印刷に使用した時に、最大どの大きさの印刷物に使えるかを計算したものが下のテーブルです。例えばキャビネ版の写真を600dpiで入力したデータであれば、高品位印刷の場合282mm×205mmのサイズまで印刷可能ですから、B5版は問題無く使えるということになります。
入力原本入力解像度雑誌最大印刷サイズ  高品位印刷最大印刷サイズ 
L版プリント600dpi286mm×200mm 218mm×153mm
キャビネ版プリント600dpi372mm×270mm 282mm×205mm
35mmフィルム4000dpi541mm×360mm 411mm×274mm
■入力解像度に関する注意
  写真デジタル化に際し、入力解像度は重要なファクターですが、意外に知られてないのは、入力解像度は本当の解像度ではないということです。例えば2400dpiで入力したとして本当に2400dpiの細かい画像が得られているかというと、必ずしもそうではありません。勿論、2400dpiのデータにはなっております。一般的にスキャナーはレンズやミラーなどの光学系を使用しています。このレンズやミラーの性能と入力解像度とは必ずしも一致しておりません。入力解像度とはその細かさでデータ化できますという意味であって得られた画像が2400dpiに見合った解像度を持っているという意味ではありません。
  実際、多くのスキャナーが入力解像度に対し光学的な解像度が劣っています。カタログや取扱説明書には厳密な意味での光学的な解像度は記載されておりませんので、自分で確認する必要があります。(メーカによっては光学解像度と仕様に記載してある場合もありますが、光学解像度という定義も、結構曖昧に使用されているようです。)手っとり早い調べ方は、上にもありますように、解像度の高い写真(ピントがシャープに合っている写真)を用意し、解像度を変えて入力し得られた画像を較べ有意差があるかどうかで判断できます。被写体の同じ面積を拡大して表示すると、見較べ易くなります。(PC等のディスプレイは、画素数が少ないので、拡大せずに見ると判別しにくくなります。)
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