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モワレ低減のスキャナ設定は、原稿に合わせることが望ましいのですが、標準的な設定でも問題ないと思います。但し、モワレ低減をオンにすると、読取り時間が長くなることがあります。モワレ低減の方式は、一般的には読取り解像度を高く設定して入力し、読取った画像にフィルターをかけるという方法です。従って解像度を高くした分、読取り時間が増えます。
モワレが発生する写真か否かは、写真をルーペで拡大すれば解ります。少し古いタイプのインクジェットプリンタで印刷した写真は、モワレが発生することがよくあります。
上の写真4.4に従って説明します。スキャナーは緑の矢印の方向にスキャンヘッドが移動するとします。(方向はスキャナ毎に異なります。)写真が上のように置かれていたとしますと、ヘッドの移動に伴って検出された順に写真のデータが格納され、B→A→C→Dという順番にスキャンされたデータが格納されます。
この性質を利用することにより、ならべた写真の読取り順を入力者の意図に合わせることがでます。
写真を並べる際は、写真と写真の間隔をメーカの取扱説明書に従って設定して下さい。通常10ミリ程度間を空ければ、自動的に個々の写真を切り出してくれます。
また、原点側は写真を押し付けても読み込めますが、原点の反対側は読み込めない領域がありますので、注意が必要です。
因みに、スキャナのホコリ除去機能は同じメーカのものでドライバーの設定を同じにしても、型番が変わっただけで性能が違っています。どの程度のホコリ除去性能を有しているかは、あらかじめチェックしておくことをお薦めします。(ホコリ除去性能に関しては互換性はないと思った方が良いと思います。)また、ホコリ除去機能は弊害が発生することもあります。
例えば上の写真入力の例では右側の写真が絹目でしたので、右側の写真のみサムネイルでクリックし、ドライバーの設定の中のモワレ除去の項目をオンにします。モワレ除去はもっとも精細度の高いモードを使用します。新聞用などを使用すると、解像度が低下してしまいます。
目安として、600dpiでの入力の場合、L版のサイズの写真で1メガバイト近辺、あるいはそれ以上の容量になるように設定すればほんと問題ないと思います。但し、写真の内容によって容量は違います。フォトショップ系では圧縮は0(圧縮強・ファイルサイズ小)から12(圧縮弱・ファイルサイズ大)の値で設定しますが、最低でも9以上の値にすることをお薦めします。オプションの項目はベースライン(標準)で結構です。ソフトによってデータ格納の形式の指定は、もっと前に必要になる場合もあります。そこはお使いになるソフトに合わせて臨機応変に対応して下さい。
いよいよスキャンです。ドライバーのスキャンボタンをクリックします。ここは終了するまでひたすら待つのみです。
古い写真で保管状態が悪い時は、稀にシートと写真の表面が一体になってしまっている場合があります。この場合は、無理に剥がすと写真の表面のみがシート側に貼りついたままでシートが剥がれてしまいます。こういうケースでは、残念ですがシートの上からスキャンします。
シートを剥がすメリットがもうひとつあります。それは、ゴミが少なくなることです。写真とシートの間はもともとゴミは比較的に少ないのですが、剥がした時にゴミはシート側に移動する傾向があります。おそらく静電気の影響と思われます。従って、バラ写真にくらべて入力した際のゴミの出現頻度が少ないという傾向があります。
透明シートは必ず剥がして入力しましょう。せっかく写真をスキャンするのであれば、このひと手間は大切です。また、台紙に張り付けたままスキャンを行いますので、写真がガラス面に密着してしまうことによるシミ欠陥(写真2.1、写真2.2)はあまり発生しません。しかし、台紙を強くガラス面に抑え付けるとシミが発生します。逆に台紙の湾曲などでガラス面から写真があまり浮いてしまうと、ボケてしまいます。浮いても2〜3ミリ以内になるようにしてください。スキャナーのカバーをかぶせる程度で殆ど問題ないと思います。反りの方向によっては一部が密着してしまいますので、場合によっては台紙の反りを少し矯正してからスキャナーにセットします。
スキャンが終了したら、バラ写真の時と同じように、スキャナ面を清掃してください。